ネコティアス<弊社コンサルタント>のひとりよがり時事コラム

2011年03月15日

ネコティアス
M9.0からの復興努力はどこに向かうか?
「3.11」は日本を強制終了させた。
 

 

 米国が「9.11」を体験してそれまでと全く異なった国になったように、日本は「3.11」により崩壊に向かって加速することになってしまった。   以下は3月13日時点での筆者の予測である。

■経済活動
  大企業
復旧に向けて政府の援助が得られるため、6カ月程度で回復軌道に乗る。  特に住宅・建設・自動車・家電・食品など政府の優遇策に乗って業績を急回復させる分野もある。  ただし、国内工場が100%再生されたり、雇用が100%戻ったりすることはあり得ず、これを免罪符として工場の海外への移転の動きも加速する事になる。  そのため雇用の減少は加速する。
  中小企業
大企業へのより一層の集約が進むために企業の数は減り、雇用も減ることは避けられない。
  零細企業
崩壊したままとなる。
  被災市民
政府と社会からの補助は初期を過ぎれば限定的となり貧困層への落ち込みが加速する。

 

■政治の動き
  政府
民主党菅政権は「3.11」以前に予想されていた早期崩壊の命運をたどらず2011年の解散総選挙は回避される。  政権が発表する復興計画は官僚が作成するもので通り一遍のものとなり日本再生の理念に満ちたものにはならない。  財政支出はインフラの復興のために増加する。  最終的には政府の無能に対する市民の怒りが沸点に達し少数政党の乱立時代に突入する。  ただしこのような危機に際して戦後最も脆弱な政府がイニシアチブをとることから、市民の怒りが頂点に達するまでに政府が間違った判断をし、日本崩壊をを止めることが手遅れとなる可能性もある。
  官僚
国家・地方に関わらず許認可権限を持つ官僚の権力が強化される。  復興が始まって1年以上経過後には官僚の描く青写真で方向性が決定している事が明確となる。  ただし第2時世界大戦後とは事なりその内容は日本復活に寄与するものとはならない。  現在の官僚に未来を描く能力は無いと判断している。
  大企業
我田引水の発言しかなされないが、大企業の景気回復が市民の景気回復と連動すると洗脳されている市民はそれに従う事になる。  より活発化するであろうM&Aも結果としては大企業を外国の所有へと変貌させるものでしかない。
  財政
赤字の増大は避けられず、国債保有に対するリスクは高まる。  金利も上昇局面に入り不況下の高金利が出現する。

 

■エネルギー不足
  電力不足
電力不足は数年間は解消されない。  そしてその解消も需要の減少という形で行われる。  その為に国民の活動が内向きとなり景気は急速に落ち込む。   1年以内に原子力発電に対する忌避は一部を除いて消え去り新たな原発建設が再開される。   ただし新たな原発の全てが完成することはないであろう。
  資源輸入
原油・LNGをはじめとするエネルギー輸入は増加し「円安要因」となる。 エネルギー資源輸入と円安により貿易赤字がトレンドとなる。

 

■株式市場
一部復興関連企業以外は売られる事になる。   海外投資家の売りがトリガーになり、日経225インデックスは新たな下降トレンドに入る。   下値のめどは不明であるが前回の最安値を下回ることになろう。  5000円〜6000円は覚悟する必要があろう。  今回は「勤勉な日本人の一致団結した努力」であるとか「日本の経済力の底力」などという日本に対する<過大評価>が当初は優勢になろうが、そのレッテルは何カ月かは持つかもしれないが、必ず短期間ではげ落ちる。  長く続いた殺し合いが終わり、仕事をして家族を食べさせて行くことが幸せであった戦後期と、市民がすでに2分化し一枚岩になることのない現在とでは大きく異なり、日本人の回復力を期待すれば裏切られる事になる。

 

■外国要因
中国は日本への援助という口実で技術移転・資本移転・影響力の強化を目指すことは非を見るより明らかである。  米国もそれに対して対抗措置は取り、日本に対する影響力を一層強化することを目指すはずではあるが、全面的な介入は考えにくいため、中国の影響力が増すことは避けられない。
また、ロシアも当然この間隙を突いて影響力を増そうとするはずである為に事態は混乱するであろう。
また株式市場の下落と円安は大企業に対する海外からのM&Aの加速も意味する。

 

■個人の動きの2極分化
復興を目指す経済的に中流以下の国民と、海外への脱出を目指す中流以上の国民に分化することになり、国民が一枚岩となって復興を目指す動きにはならない。
中流以上の国民の資産は海外を目指すため、国内証券安および外貨購入による円安がトレンドとなる。  これは企業の動きとも一致する。

 以上の予想が現実になる可能性はそれを高いと考えている。  3月13日の菅首相と政府の記者会見の暗い中身が明示している。  本来一国のリーダーであれば、国民に暗い未来を示すと同時にその後の明るい未来をもたらすための理念と方策を示さなくてはならない。  残念ながらそんなものは全くなかった、官僚がすぐに作成してくれると理由もなく期待しているのであろうが事ここに至っては、若年時より想像力を殺すことを学んできた日本の官僚は最も期待できない人種である。  そしてそれを監視し正しく市民に伝えるべきマスメディアの人材枯渇は目を覆うものがある。  市民が国家を正しく評価できない原因の過半数はマスメディアの責任に帰す。

 



以 上
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