ネコティアス<弊社コンサルタント>のひとりよがり時事コラム

2011年04月25日

ネコティアス
菅直人はおおむね正しい、片腹痛い菅直人批判。
 

 

■的を得ない菅直人批判■
菅直人首相に対する批判が党内外から沸き起こっているが、それら批判には根拠があるのか極めて疑問である。  以下は批判内容とそのまやかしである。

(1) 3.11の翌日に原発を視察に行ったのは東電の初動を遅らす原因となった。
そもそもヘリで原発上空を飛んでも安全であると言う事を誰かが確認したはずであり(物理的な確認ではなく言葉上での確認) その後の爆発に関して首相の責任であると言うには無理がある。  いわれなき中傷である。  百歩譲ってその行動が批判されるべきものであったとしてもその責は首相を補佐すべき者達に帰する。  また、なぜ3月12日当日にその批判がなかったのか。  批判する側もその時点で何も考えられなかったとしたら「代わりはいない」事を証明している。

(2) 万一、リーダーが事故にあい不在になった事を考えると危機管理ができていない。
首相をリーダーとして信任していない連中こそそういう事を言う。  片腹痛いという以外に表現がない。  首相に万一の事があればその後任者は法律で決まっているだけの事であろう。

(3) 原発事故ばかりに気を取られて地震被害に対する対策が後手に回った。
これとて補佐すべき者達が何人もいて何をしていたかという事であって、首相は全てを自分で決めるスーパーマンではない。

(4) 統一地方戦前半戦での民主党大敗の責任者である。
菅直人が首相になった時点ですでに民主党への支持はほとんどなくなっていたわけで、それが震災後にも継続したと言うだけである。  ここまで民主党の支持率が低下したのは小沢と鳩山の責任が極めて大きいのは議論を待たない。  支持率低下の張本人たちが、さも自分たちは選挙民から批判を浴びてはいないというふりをしているのであるから、この者たちの正体はすでに明白である。

(5) 「20年間は住めない」発言を袋叩きにする世論。
批判の根拠は「被災者の心情を理解しない無神経」という事らしいが、 言葉だけ「かわいそう」といって少し経つと単なる人ごとにする定見のなさこそふざけた話である。  今回の被災者の救援には大きな前提条件を最初に理解させることが必要となっている。  すなはち元の住所に戻って生計を立てる事ができるのかという事である。  もしこの答えがYes なら仮設住宅やインフラ復旧で良いかもしれない。  しかし今回の問題はこれまで日本が経験したことのない『継続的な放射能汚染』である。  それゆえ元の住所に戻れない場合は全く別な場所に自治体ごと移転し住宅と仕事の両方を新規に確立する必要がある。  その為には「戻れない」という事を明確にすることが最初の仕事であるのは当然である。  それゆえ菅直人は全く正しいアプローチをしたのである。  これをつぶした連中こそ将来になって、被災者が怨むべき者達である。

(6) 震災直後は様子を見て協力してきたが1ヵ月以上経過したのでやはり菅直人ではだめだと野党が言いだした。
人の批判は簡単である。  ほとんどが上記のようないわれなき批判と中傷であり、その代わりに何を行うのかという積極的な案はどこからも聞かない。  菅直人の失敗(それも野党が言っているだけである場合がほとんどであるが)の上げ足を取って、さも自分であればもっと良い案が事前に出せたというようなふりをしているだけで実際には何もアイデアのないのが批判者である。  ダメなものからダメなものに代わる時間の浪費をする余裕はもうこの国にはない。

(7) 福島県の被災地に入った菅直人に対して、被災者の一部は極めて無礼な言動をはいた。  少なくとも原発の事故の直接の責任が現在の首相にあると考える根拠はない。  それよりも自身が原発誘致に対して世論の総意として賛成した事が今回の厄災を招いたという事を被災者も自己批判すべきである。  あのように市民に馬鹿にされる日本の政治環境の中で、一方的な責めを首相一人に負わせ保障を求めるだけの事実を見れば、この国の本当の問題点が理解できる。

結論:
 菅直人をすばらしいリーダーであると言うつもりはないが、現時点で大いに努力しようと考えている点でいえば彼は首相にとどまるべきである。  それ以外に「人物」が存在すれば別であるが、そんな者はどこにもいないのはこれまでの選挙で明白であろう。  国民のレベルのリーダーしか持てないのであればなぜそのリーダーが最初から素晴らしい人物であると考えるのか不思議である。  彼は前任者たちよりも少しだけ嘘をついていないかもしれない。  もしそうであればそれは政治家の中で特筆すべき長所である。  変えるべきはその地位にあるべき知見を持たない取り巻きの官僚や補佐官であろう。

 



以 上
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