2000年08月28日

白川 浩道
4−6月のGDP成長率発表を受け、マクロ政策は転換?

 4-6月期のGDP成長率(9月8日前後に公表される予定)については、現段階で、前期比+0.7%程度、年率で+3.0%程度を予想している。1−3月期が前期比+2.5%であったから、2四半期連続のプラス成長となり、テクニカルには「景気回復」ということになる。ただ、内容的には1−3月期に比べて悪くなることが予想される。

 1-3月期は、公共投資が予想外の落ち込みとなり、公的需要がマイナスの寄与となるなかで、民需が寄与度でみて2%ポイントもののプラスとなった。しかし、4−6月期は、民需が息切れし、寄与度は残念ながらほぼゼロとなる可能性が高い。基本的には公共投資の反動増に支えられる格好でプラス成長を維持することになりそうなのである。

 このように内容はあまり良くないにせよ、2四半期連続のプラス成長はそれなりのインパクトを持つ。まず、2000年度の補正予算の規模が最大でも3兆円に止まる可能性が高い。場合によっては、補正は必要ない、との見方も出てくる可能性がある。

 公共事業見直しの議論が高まっている中で、財政政策はいち早く中立化、緊縮化を目指すべきであるとの指摘も勢いを増すことになろう。他方、金融政策についても、あれだけもめたゼロ金利解除にもかかわらず、追加利上げ論が現実味を帯びてくる可能性がある。

 このように、第2四半期の成長率発表を受け、マクロの景気対策は一気にブレーキを踏むことになるかもしれない。この場合のシナリオは、オールドエコノミー企業の市場からの退出促進、経済の二極化加速である。これは中期的にみれば、日本経済の潜在成長率向上に繋がる可能性が高く、望ましいことであるが、短期的には、景気に下押し圧力が生じる可能性がある。

 なぜなら、ITエコノミーが高い成長を遂げているとはいえ、雇用面での吸収力は依然として限られているとみられるからである。オールド・エコノミー企業でリストラされた従業員の雇用機会について中期的な展望が拓けるまでは、安心はできない。

以 上  
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