2005年02月18日

白川 浩道
企業設備投資は再びリバウンド



 2月16日に公表された昨年10−12月期のGDP統計によれば、日本経済の成長は、昨年4−6月期以降、完全な足踏み状態にあったことになる。 3四半期連続で小幅のマイナス成長を記録したのである。 厳密に言えば、日本は緩やかな景気後退を経験していたとさえ、言わなくてはならない。


 こうした景気の足踏み状態は、昨年春まで好景気を主導してきた輸出と企業設備投資の好循環が切れたことが背景である。 原油高やハイテク在庫の積み上がりによって輸出が鈍化し、その結果、企業マインドが悪化して、設備投資も抑制された。


 しかし、企業設備投資は、短期的に再び拡大する可能性が高い。 なぜなら、多くの企業は、リストラの効果もあって、輸出の伸びが鈍化する中でも利益の回復を維持してきたからである。 企業は、株主に対する責任もあって、拡大したキャッシュフローをある程度設備投資に振り向けざるを得ない状況にある。 企業が余剰資金をあまり多額に持つことはコーポーレート・ガバナンス上このましくない。 配当や自社株買いに加えて、更新投資に資金を回さざるを得ないのである。


 ここ1−2ヶ月、企業設備投資の動向を占う上で重要な機械受注や投資財出荷の回復が顕著である。 我々の分析によれば、「機械受注(民需合計)の2四半期移動平均値と投資財出荷の平均値」がGDP統計における企業設備投資との間で高い相関を有している。 つまり、同平均値を用いれば、高い精度でGDP統計上の企業設備投資の動向を予想することが可能である。


 その機械受注統計であるが、最近公表されたデータによれば、1−3月期の見通しが民間需要全体で前期比+6.0%と高い伸びとなった。 ここで、機械受注見通しの実現率(実績値/見通し額)をみると、2002年4−6月期からの今回の景気回復局面の平均(2004年10−12月期まで)は101.8%と100%を超えており、トレンドとして上向く傾向にある。 また、1−3月期に関する限り、実現率の季節性は観察されない。 他方、12月の日銀短観では、2004年度下期の設備投資計画が大幅上方修正(前年度比+8.8%、修正率+8.9%)された。 これらのことからすると、この1−3月期の機械受注が見通し対比で大きく下振れる可能性は低いと考えて良いだろう。


 このように、機械受注(民需合計)は、昨年10−12月期、今年1−3月期と2四半期連続で前期比プラス6%程度(それぞれ+6.5%、+6.0%)になる見込みにある。


 次に、投資財出荷については、昨年12月に前月比+6.3%と大きく増加した。 今年1−2月に12月対比で2−3%程度の水準調整があっても、前期比+2%超となる可能性が高い。


 これらを総合すると、1−3月期の企業設備投資(実質GDPベース)は前期比で+3−4%になる可能性が出てきたと言える。 これだけでGDP成長率は0.6〜0.8%も押し上げられる。 やはり、1−3月期の実質GDP成長率については、前期比+1.0%、年率で+4%を超える高成長を見込むべきであろう。


 3四半期連続でマイナス成長となった日本経済がプラス4%成長を達成するとなれば、再び海外から日本の株式市場への資金流入が加速し、株価の騰勢に勢いが付くであろう。

 

以 上
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