2001年01月24日

白川 浩道
需要面の減退は年後半に

 当社では、2001暦年の成長率見通しを0.7%に下方修正した。ここで年前半と後半に分けた場合、当社のメインシナリオでは、需要面での減退は年後半に顕現化するとみている。年前半については、(1)昨年来改善してきた家計所得が一時的には支出に回るとみられるため、個人消費は堅調に推移する可能性が高いこと、(2)設備投資についても、能力増強型、IT関連投資ともにモメンタムが残っているとみられること、から、平均して小幅のプラス成長となる公算が高いとみている。実際、鉱工業生産と実質国内民需の動きをみると、昨年4−6月期、7−9月期については、生産活動の拡大に比べて需要面の回復が出遅れており、所得の拡大が十分に支出に回っていなかった可能性が示唆される。

 他方、年後半は2四半期連続のマイナス成長となることを予想する。年前半における輸出の大幅減少、生産の大幅調整の下で、年央までには所得環境の悪化が、企業部門、家計部門ともに、かなりの程度意識されている可能性が高い。夏のボーナスに対する不安感の増大が消費者マインドの悪化を招く6月ころから、個人消費の減速が明らかになろう。また、設備投資についても、生産調整の過程で、企業の投資意欲が後退し、年後半における投資計画下方修正が生じるとみられる。このように、年前半は、日本経済が昨年の所得改善を支出する時期であり、年後半は、年前半の所得環境悪化の下で後退したマインドが実際に支出面に現われる時期となる。

 年前半をしのげば年後半に回復する、という見方はやや楽観的と言わざるを得ない。年度末越えの流動性を可能な限り潤沢に確保しようとする日銀の対応によって、3月危機が生じる可能性は低い一方で、そうした短期的な措置の効果が切れてくる5、6月が金融面でも最も危ない時期となる可能性がある。景気循環の波に金融危機が重なる夏場から秋口に、景況感がもっとも悪化するリスクをみておくことが重要である。

以 上  
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