2001年02月05日

白川 浩道
家計所得の伸びは既にピークアウトした
 先週公表された12月の給与データ(毎月勤労統計)は予想外に弱い内容であった。メディア等の民間調査では、「冬のボーナス」も夏のボーナスと同様にほぼ前年並みとなることが予想されていたにもかかわらず、毎月勤労統計の特別給与部分は前年比−1.5%と落ち込んだ。この結果、給与総額でも前年比−0.5%と6ヶ月ぶりに前年割れとなった。

 チャートが示すように、四半期ベースでみた場合、家計所得の伸びは明らかにピークアウトしたと言える。名目家計所得(1人当たり現金給与総額*常用雇用指数、5人以上の事業所)は4−6月期に前年比0.7−0.8%に高まった後、ペースを落し、10−12月には前年比ほぼゼロとなった。4−6月期は、前年比ベースでみた鉱工業生産の伸びが7.0%とピークに達するとともに、株価もTOPIXでみて1600ポイント前後を維持していた。家計所得の伸び率の減速は、生産活動の減退、株価の低下の下で、企業が再び人件費削減意欲を強めてきていることを如実に反映したものということができる。

 先行きについては、在庫の積み上がりによる生産調整圧力が徐々に強まるとみられるとともに、生産活動の鈍化の下で株価も力強さを欠く展開となることが予想される。日本企業は合理化努力を継続することで生産性の回復に努めることが市場から要求されており、そうした状態で売上環境が悪化すれば、人件費削減圧力は一気に高まることになろう。1−3月期には、名目家計所得が再び前年比マイナスの領域に入ることが予想される。当社では、短期的には個人消費が堅調に推移するとみてきたが、最近の家計所得の悪化により、個人消費の減速が当初見込みに比べて幾分早いタイミングで顕現化するリスクが出てきた。1−3月期の成長率見通し(現状では小幅のプラス成長を予想)を下方修正する必要がありそうだ。

以 上  
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