2014年01月13日

塚崎 公義

 

人口減少社会の予測:少子化がもたらす経済の変化


久留米大学商学部教授 塚崎公義

2014年1月13日、出身高校の同窓会総会で講演をしました。家族社会学者の山田昌弘氏に続いて私が講演したもので、以下は、その時のスピーチテキストです。


(はじめに)

 御紹介にあずかりました、久留米大学の塚崎でございます。よろしくお願い致します。私は銀行の調査部出身で、長年経済予測を仕事にしてきましたので、今日は少子化がもたらす経済の変化について、私なりの予測を御披露したいと思います。
 山田さんは、家族社会学の第一人者で、現状分析から予測まで、大変興味深い御話をされました。内容は説得力があり、特に反論はないのですが、一つだけ問題があって、正月早々の話にしては暗すぎましたね。
 そこで私は、様々な予測シナリオのなかで最も楽観的なシナリオについて御話します。皆様は、「そんなにうまく行くはずがない」と感じられると思いますが、可能性が高いか低いかは別として、そうした明るい未来も描き得るのだ、という事だと御理解下さい。
 今ひとつ、正月なので、普段は考えないような事を考えてみよう、という事も御提案したいと思います。普段あまり人々が口にしないような少数説なども御提案します。ある意味で非常識な議論ですから、「この議論はどこが間違っているのだろう」と考えながら聞いていただければ幸いです。そして、間違いが見つからず、では自分も少数説に賛同しよう、と思っていただければ、更に幸いです。


(1)失業率の低下

 @ アベノミクス

 今日は、長期的な話をしますが、はじめだけ、目先の話をします。アベノミクスについてです。金融政策と財政政策により、景気は着実に回復しています。しかし、成長戦略については、今ひとつ迫力に欠けています。
 成長戦略が足りないから日本経済は暗い、という方も多いのですが、私はそうは思いません。成長戦略という言葉は、様々な意味で使われていますが、日本経済の生産者を効率化し、生産力を高めて行こうという政策を意味するのが普通でしょう。そうだとすると、景気対策が成長戦略そのものだといえます。
 まず、景気が回復すれば、設備投資が増えます。これは、日本経済が使っている設備機械が最新式のものに置き換わり、生産性が向上するという事を意味します。設備投資減税や法人税減税も大切ですが、景気の回復の方がずっと設備投資を促進するのです。
 景気が回復して労働力の需要が増えると、今まで職探しを諦めていた女性が仕事に就くようになります。女性が活躍する場が増えるわけです。女性の仕事と育児の両立を図るために保育園を作ったりする事も大切ですが、労働力需要が増加する事の方がずっと良い効果をもたらします。保育園を作れば、女性労働力の活用は進むかもしれませんが、景気が悪くて労働力の需要が増えなければ、その分だけ男性の失業者が増えてしまう、といった事もあり得るからです。
 景気が拡大すれば、新しく会社を立ち上げる起業家たちの勇気も湧いてくるでしょう。いくら良いアイデアがあっても景気が悪くて需要が見込めなければ尻込みしてしまうので、景気回復は起業家の支援にもなるのです。
 更に景気が拡大すれば、労働力が不足して賃金が上がります。そうなれば、高い給料の払えない非効率的な企業から効率的な企業に労働力が移ります。それにより、日本経済は一層効率化していくのです。
 反対に、需要を増加させずに生産者を効率化するだけの成長戦略は、あまり効果が期待できません。今の日本経済にとって足りないのは需要ですから、生産力だけを増やしても、短期的には需給バランスが一層崩れるだけだからです。
 もちろん、遠い将来を見通せば、少子高齢化で労働力が不足するでしょうから、その時に備えて日本経済を効率化しておこう、という長期的な課題としては成長戦略は重要です。したがって、成長戦略を否定するものではありませんが、今後数年間の日本経済が明るいか暗いか、という事で言えば、成長戦略が不十分であっても大きな問題とは言えないでしょう。

 A 最後の黄金時代

 景気が拡大して、失業率が下がってくると、日本経済は「最後の黄金時代」を迎えるかも知れません。これは何もバブルのような金ピカの時代が来るという事ではなく、失業にも労働力不足にもインフレにも悩まずにすむ時期、という意味です。
 バブル崩壊後の20年間、日本経済は需要不足の時代で、労働力が余っていて、失業の問題に悩み続けて来ました。一方で、遠い将来に於いては、少子高齢化が進むため、働いている人よりも引退した高齢者の方が遥かに多く、「若者の多くが高齢者の介護をしていて自動車を作る労働力が残っていない」、という時代になります。労働力不足です。
 労働力が余っている時代から足りない時代に移行する間には、労働力が足りなくもなく余ってもいない時代があります。それが黄金時代です。低血圧の人が、年齢とともに血圧が上がって行き、最後は高血圧に悩むことになるとして、その間に丁度良い血圧になる時期がある、といったイメージです。
 労働力が減ってくれば、女性と高齢者の活躍も進むでしょう。仕事探しを諦めていた人々が仕事を探すようになり、活き活きと働けるようになるはずです。
 私が「最後の黄金時代」という言葉を使い始めたのは、リーマン・ショックの前でした。景気が緩やかながら拡大を続けていて、失業率が下がっていた時です。結果としてリーマン・ショックが来たので、黄金時代は来ませんでしたが、リーマン・ショックの後遺症から抜け出せば、再び黄金時代到来のチャンスとなるのです。
 なお、リーマン・ショックで私の予想は外れましたが、一つだけ勇気付けられたことがあります。それは、失業率がそれほど上がらなかったことです。ITバブル崩壊よりもリーマン・ショックの方が遥かに経済への打撃は大きかったのですが、失業率は似たようなものに止まったのです。その一因は、団塊の世代が引退しつつあった事でしょう。
 今後も、引退する高齢者の数が新しく労働市場に参入する若者の数を上回る時代が続きますから、失業問題は緩和されて行くでしょう。次の不況の時には、よほど深刻な不況でないかぎり、失業率はそれほど高まらないと期待されるところです。

 B 需要超過も悪くない

 黄金時代が終わると、労働力が不足する時代になります。若者が高齢者の介護で忙しく、自動車を作る人手が足りない、といったイメージです。そうなると非常に困るか、というと、それほどでもありません。むしろ、労働力が余っている今よりは、だいぶマシな時代が予想されます。
 まず労働者の賃金が上がりますから、ワーキング・プアといわれる人々がマトモな生活を送れるようになります。
 次に、女性や高齢者が更に仕事を見つけやすくなります。子育て中の女性や体力の衰えた高齢者などが、たとえば1日4時間だけ働きたいと考えても、今は雇ってくれる企業は少ないでしょう。しかし、人手不足が深刻になれば、そうした人々も雇ってもらえるようになるのです。
 こうして、働きたい人が働きたいだけ働ける時代になるのです。日本の高齢者は元気な人が多く、しかも働きたいと思っている人が多いので、そうした人々が仕事と収入を得ながら活き活きと暮らせる時代になるのです。
 高齢者の多くが働くようになると、年金支給年齢を遅らせる事が容易になります。健康で働く意欲のある高齢者は働き、それ以外の高齢者は年金を受給する、という事になれば、年金財政は大幅に改善するでしょう。
 ワーキング・プアがいなくなり、女性も仕事を見つけやすくなると、経済的な理由で出産をためらう人が減りますから、少子化に歯止めがかかるかも知れません。もっとも、その頃までには出産適齢期の女性が大幅に減っているでしょうから、一人の女性が産む子供の数が増えたとしても、子供の数が少ないことには違いありません。日本の人口が回復していくというよりは、それほど減らなくなる、といった所でしょう。
 人手不足になるので、企業は省力化投資に励むようになります。それによって労働生産性が上がります。給料が上がるので、非効率的な企業は存続できなくなります。それによっても、日本経済全体としての効率性が上がっていくことになります。
 失業者がいないので、景気対策が必要なくなりますし、増税する時にも景気の悪化を気にする事なく気楽に増税できます。したがって、意外なことに労働力不足時代の方が財政再建が進むかも知れません。


(2)財政赤字

 @ 増税が容易に

 日本の財政赤字は国際的に見ても非常に大きなものです。その原因の一部は政治家のバラマキにあったり増税に反対する国民の意識の低さにあるのかもしれません。しかし、より本質的な問題は、財政再建を進めようとすると景気が悪化して失業が増加して失業対策が必要になる、という事が繰り返されてきたことにあります。
 そうなる理由を更につきつめれば、国内の生産力に比べて国内の需要が足りないことが大元にあります。国内需要が足りないため、余ったものは海外に買ってもらう必要があるのですが、輸出を増やすと貿易摩擦になったり円高になったりするので、余ったものをすべて外国に買ってもらうわけにはいきません。
 そうなると、企業は物を作らなくなり、人を雇わなくなり、失業者が増えます。そこで景気対策が必要となり、財政赤字が増えるのです。
 しかし、労働力が不足する時代になると、状況が一変します。失業者がいないので、失業対策や景気対策は不要です。そればかりではありません。増税をしても失業者が増えないので、気楽に増税をする事ができるようになります。
 もちろん、誰でも税金を支払うのは嫌ですから、増税に対しては反対する人も多いでしょう。しかし、労働力不足の時代には、「増税しないと景気が良すぎてインフレになってしまう」と言って説得する事が可能なのです。基本的に労働力が足りず、物が足りず、インフレになりやすい経済だからです。つまり、労働力不足時代の増税は、財政再建とインフレ抑制という一石二鳥なのです。
 更に言えば、財政再建を心がけなくても、景気過熱を押さえ込むために増税をする事によって、財政は自動的に改善してしまうかもしれないわけです。

 A 最後の一人になれば解決

 更に少子化が進むと、何が起きるでしょうか?日本人の数が減っていき、最後には日本人が一人になる時が来るかもしれません。そうなると、その人は、全ての日本国債を資産として相続する事になります。一方で、同じ金額を税金として徴収されますから、結局何事も起きません。「日本国債は子供たちに借金を残すことになるからダメだ」、という人は多いのですが、同時に資産も残すので、それほど酷いことにはならないのです。遺産が相続できる人と出来ない人の間で世代内の格差はありますが、世代間の格差ではないのです。
 もちろん、本当に日本人が最後の一人になる事は考えにくいので、これはあくまでも頭の体操ですが、「財政が赤字だから何時かはこの世の終わりが来る」というわけではない、という事を御理解いただければと思います。
 この話には前提があって、日本の経常収支が赤字にならないことが必要です。経常収支が赤字になると、日本国として外国から借金をせざるを得なくなりますから、最後の一人が全ての国債を相続する、という事にならないからです。厳密に言えば、日本は莫大な対外純資産を持っていますから、多少の経常収支赤字であれば大丈夫なのですが、それでも赤字額を一定の範囲内にとどめる必要はあるのです。
 経常収支赤字が増えてくると、それ以上の赤字にならないように、政府は景気を押さえ込む必要が出てきます。再び増税によって需要を減らすことになるのです。こうして、ますます財政は再建されていきます。

 B 国債暴落は怖くない

 財政赤字が大きくなりすぎると、人々が日本政府の破産を心配するようになるかも知れません。心配した人が持っている日本国債を売ると、売りが売りを呼んで日本国債が暴落するかも知れません。
 実際には、日本政府が破産する事はなく、国債が償還できなくなったら日銀に紙幣を印刷してもらう事になるでしょう。しかし、そうなればインフレになるので、やはり国債の価格は暴落するでしょう。
 人々が、このように考えていると、ある時突然に、「国債が暴落する前に売っておこう」という人が増えて、本当に国債が暴落するかもしれません。
 これは、人々がどう考えるかの問題ですから、国債がいつ暴落するかを予測する事は不可能です。もしかすると日本人が最後の一人になるまで暴落しないかも知れませんし、もしかすると明日にでも暴落するかも知れません。しかし、仮に国債が暴落したとしても、「この世の終わり」が来るわけではありません。
 日本政府が破産するといった事を人々が心配するようなときには、日本の通貨である円の価値も暴落するでしょう。外国人が一斉に日本国債を売って、売却代金をドルに換えて本国に持ち帰るとすれば、猛烈なドル高円安になるはずです。
 そうなれば、日本政府は外貨準備を売るでしょう。政府は莫大な外貨準備を持っていますから、これを高値で売却して、売却代金で暴落した国債を買い戻すことができます。これによって、日本政府の借金は一気に減ることになります。日本政府が破産するという噂がたつと、日本政府の借金は減るのです。
 結局、損をしたのは外国人投資家という事になります。国債を安値で売却し、売却代金でドルを高値で買うことになるからです。そっくりその分だけ、日本政府が儲けることになるわけです。
 さらに、日本の民間部門も巨額の外貨を持っていますから、彼らがそれを高値で売却して、得た利益の一部を法人税や所得税として政府に納めることになります。また、ドル高で輸出企業の利益も増えるので、輸出企業からの法人税も増えるでしょう。こうして日本政府の借金は一気に減ることになるのです。
 もちろん、一時的な混乱はあると思われますが、混乱が収まった後には、混乱前よりも遥かに健全な財政状態となっているわけです。


(3)少子化対策

 @ 仕事と育児の両立

 ここまで、少子高齢化に伴う日本経済の将来について、明るく語ってきましたが、では少子化対策は不要か、というと、決してそうではありません。少子化対策は必要で、しかも急ぐ必要があります。出産適齢期の女性の数が急激に減りつつあるため、対策が遅れると効果が小さくなってしまうのです。
 少子化対策と言っても、産みたくない女性に向かって「産めよ増やせよ」という事は許されないことですから、産みたくても事情があって産めない女性に対して支援する事が必要です。
 産めない事情は大きく分けて、仕事と育児が両立できないこと、経済的な理由で出産をあきらめること、の二つです。
 仕事と育児の両立については、保育園の待機児童をゼロにする、育児休暇を3年間とれるようにする、といった対策が政府の成長戦略に盛り込まれています。いろいろ批判はありますが、出来る事から実行していくという事で、是非頑張ってほしいと思います。
 正社員の女性が出産のために退職して、数年後に仕事に戻るとすると、正社員にはなれずにパートとして働くことになります。それにより、生涯所得が数分の一になるという試算も出されていますから、出産を諦めてしまう女性も多いと思われます。女性が出産しても退職しなくて済むような体制作りが強く望まれる所です。
 企業にとっては、3年間の育児休暇は大きな負担でしょうが、他社に先駆けてそうした制度を充実させる事によって、優秀な女子学生を集める事ができるのであれば、長い目で見て悪い話ではないでしょう。多くの企業が検討する事が望まれます。

 A 大胆な児童手当

 産みたい女性が産めない理由の今ひとつは、経済的な負担です。そもそも非正規雇用の男性はお嫁さんが来てくれないので結婚できない、という統計があります。その分だけ少子化が進むわけです。結婚できても、食べるのが精一杯で育児の費用が捻出できない、という夫婦も多いでしょう。昔に比べて高学歴化が進んでいるため、育児の費用が増えている、という事もネックなようです。
 こうした女性が安心して結婚して出産できるようにするためには、何より景気を回復させる事が必要です。企業が新卒の採用を増やすようになれば、正社員となった若者は安心して結婚し、出産することが出来るでしょう。しかし、それだけでは不十分です。既に非正規雇用になっている若者にとっては、一時的に所得が増えても将来が不安で出産に踏み切るのは勇気がいるからです。
 そこで私は、大胆な児童手当を支払うべきだと考えています。極論に聞こえるかもしれませんが、たとえば子供一人につき毎月10万円の児童手当を支払うことにすれば、パートやアルバイト同士のカップルでも出産できるでしょう。子供を二人産めば安心して生活出来るからです。
 この政策の素晴らしい所は、少子化対策であると同時に景気対策にもなっているという事です。子育て世代は消費性向が高いので、支給した児童手当は大半が消費に回るはずです。通常の所得税減税などと比べると、効果は抜群だと思います。
 この政策は、財政の負担が巨額にのぼる事から、反対が強い、というか非常識だと言われてほとんど賛同者がいないかも知れません。しかし、是非実現することを願っています。
 第一に、子供は将来の納税者であり年金の負担者ですから、少子化対策費は将来何倍にもなって戻ってくる投資なのです。子供を投資対象と考えるのは失礼とは思いますが、子供への出費は財政の立場からすれば投資です。様々な歳出の中でも、多くのものは支出したら終わりです。財政再建に役立つ歳出など、滅多にあるものではないのですから、ここは国債を増発してでも行うべきです。
 独り言で本音を言えば、財源として年金の支給額を削る事も仕方ないと考えているのですが、本日は年金を受給されている方も多いでしょうから、今の独り言は聞かなかった事にしていただければ幸いです。
 大胆な児童手当を是非実現したいと考える理由の第二は、子供が労働力の貯金通帳だからです。

 B 労働力を貯めておく

 子供を貯金通帳に喩えるのも失礼な話ですが、今余っているものを預かってもらい、将来足りなくなった時に返してもらう、という意味では預金通帳と同様の機能を果たすのです。
 今の日本は、失業に悩んでいます。つまり、労働力が余っているのです。そこに子供が産まれると、子供用品の需要が増えますから、余っている労働力を吸収してくれます。そして将来、日本経済が労働力不足に悩むようになった頃、子供は成長して労働力となり、社会に出て行きます。
 つまり、子供は、現在の大人たちから子供用品という形で労働力をあずかり、自分たちが成長して労働力となることで、貯金の払い戻しに応じるのです。
 こんな素晴らしい子供というものを増やすためですから、財政支出を惜しむべきでない、というのが私の考え方です。

 ここで脱線をして、少子化と関係ありませんが、労働力を貯めておく、という話を今ひとつしたいと思います。それは、経常収支黒字です。
 今は労働力が余っています。これを使って物を作り、外国に買ってもらって外貨を受け取ります。経常収支黒字が増え、対外純資産が増えます。将来、労働力が不足したときに、対外純資産を取り崩して労働集約型製品を輸入する事ができれば、これも労働力を貯めておいたのと同じ効果があります。
 政策として経常収支を黒字にしようとすると、為替を円安に誘導して海外から非難されたりしますが、今回のアベノミクスのように、国内経済のデフレ脱却を目指して金融を緩和したところ、副産物としてドル高円安になった、ということならば、海外からの批判も少なくて済み、うまく労働力が貯めておけるのではないかと期待している所です。


(まとめ)

 ここで、これまでの御話を簡単にまとめたいと思います。予想される中で最も明るいシナリオは、少子高齢化が決して怖いものではない、というものです。むしろ失業に悩まなくなり、働く意欲と能力のある人がすべて活き活きと働き、ワーキング・プアもなく、少子化も止まります。
 更に、労働力不足、物不足が続きますから、インフレを抑えるために増税をする必要があります。つまり、増税がインフレ対策と財政健全化の一石二鳥となるわけです。
 なお、少子高齢化が怖くないと言っても、少子高齢化が望ましいわけではありませんから、少子化対策が必要な事は言うまでもありません。政府には、是非頑張ってもらいたいと思います。
 最後に、山田さんの話についてコメントしておきます。若者の間で格差が拡がりつつあり、それが今後は中年から高齢者に及んで行く、という認識は、現状の労働環境が続くことを前提とすればその通りでしょう。しかし、今後は労働力が不足して行くので非正規労働者の賃金が上がり、正規と非正規の格差が小さくなっていくかもしれません。更に言えば、ワーキング・プアがいなくなって皆が結婚して出産するだけの経済力を手に入れる、という明るい未来も描き得るのです。

 これで私の話を終わります。冒頭申し上げましたように、正月に相応しい明るい話を心がけましたし、頭の体操として、かなり極端な事も申し上げました。正月に免じて厳しい質問は御許しいただければ幸いでございます。
 御清聴ありがとうございました。

 




 


以 上

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